2 0 0 1  
(平成 13 年)
問題》 [1] - [2] - [3] - [4] - [5] - [戻る] - [トップ]

A1.

[解説] 任意角の 3 等分の作図はできない(放物線が描かれてなければ)ことは有名です。それでは任意角の 5 等分はどうかというと、(5 次方程式に帰着されるので)やはり無理です。だから、正直に「角の 5 等分の問題」と考えると、その時点で行き詰まってしまいます。

じゃあどうすればいいのかというと、別に 5 等分の操作でなくとも結果的に 13°の角が作図できればいいのです。「でも 13°なんて中途半端な角度は作図できそうにないぞ。」確かにその通りで、何も与えられていなければ 13°は作図不可能です。「でも今度の問題は放物線も何も描かれてないではないか。」いや、描かれているものが 1 つあります。……そう、「65°の角」です。要するにこの問題の本質は

65°の角が与えられている時に、13°の角を作図せよ

ということなのです。

「65°なんて角をどうやって使うんだ」という人は、「65°を 5°ずつに 13 等分する」という問題を考えてみてください。普通は 5°の角も作図できませんが、65°の角がある場合は、まず 60°を作って、それと 65°の差をとることで簡単に 5°が得られてしまいます。つまり、最初に与えられた角と作図可能な角度との間で、適当に加減算を行って目標の角度を作ればよいというわけです。(ある場所に与えられた角を他の任意の場所に複写することは作図によって実行できるので。)

ではどのような角度を作図すればいいでしょうか。 60°を使ったのでは 5°単位の角しか得られません。では、90°, 45°, 30°, 15°, …… これでも 5°の倍数しかでてきません。 といって、22.5°とかを持ち出してもダメです(今度は 2.5°の整数倍しか得られない)。ここで必要なのは「5 の倍数でない整数度数の作図可能な角」です。……ここで「正五角形は作図可能」ということを思い出せばしめたもので、正五角形の内角は 108°だから条件にあっています。

[正解] 108°の角を使って次の手順で問題の作図ができる。

  1. 108°から 65°を差し引いて 43°を得る。
  2. 65°から 43°を差し引いて 22°を得る。
  3. 22°を 3 倍して 66°を作る。
  4. 66°から 65°を差し引いて 1°を得る。
  5. 1°を 13 倍して 13°を作る。
  6. 最初の 65°の角の内部を 13°ごとに区切って作図終了。

もちろん、108°の代わりに 36°や 72°の角を使っても、13°の角を作図できる(手数は変化するが)。この後の補足を参照されたい。

[補足] a°と b°の角が与えられていて、ab の最大公約数が g であるとする。この時、以下の手順で g°の角を作図できる。

  1. 与えられた 2 つの角が等しい場合は、それが目的の角 g°なので作図終了。
  2. そうでない場合、大きい方を x°、小さい方を y°とする。x°から y°を差し引いて (xy)°の角を作る。
  3. y°と (xy)°の 2 つを与えられたと思って 最初に戻る。

これで成功する理由は

gcd(x, x) = x,   gcd(x, y) = gcd(xy, y)

が成立するからである(詳しくは各自で考えてほしい)。要するには「ユークリッドの互除法」と同じ原理である。


[戻る] / [トップ]
This page is written by Yac(T.Yato: yato@ is.s.u-tokyo.ac.jp ).