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(平成 16 年)
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A1.

(1) この数列は「英語の基数で綴っても序数で綴っても e が現れない数」を並べたものである。だから ?? は 2000 である。

パズルの世界では、「基数で綴った時に e が現れない」という性質を “eban”と呼んでいます(e が禁止(ban)されているの意味)。 すなわち eban 数の列は

2, 4, 6, 30, 32, 34, 36, 40, 42, 44, 46, 50, 52, 54, 56, 60, 62, 64, 66, 2000, 2002, 2004 ……

です。 問題の数列はさらに「序数でも e を含まない」という条件を付けたものでした。 例えば、2 (second) や 30 (thirtieth) は序数では e を含むので、問題の数列からは除かれます。

(2) ここでは、本家の「eban 数列」の逆数の和が有限であることを示す。 問題の数列は eban 数列の部分列であるから、eban 数の逆数の和が有限であることを示せば題意を示したことになる。

これを考えるためには、任意の大きさの自然数を綴る方法が(現実に行われている方法の妥当な拡張として)明確に定義されている必要がある。そこで、まず「現実に行われている方法」を調べると、次のようになっていることがわかる。 以下では、米国式の“short scale”を前提とするが、(昔の)英国式の“long scale”を採用しても議論はほとんど同じである。

自然数 n の英語基数の綴りを E(n) とする。 n = 1〜999 に対する E(n) は現実に行われている通りにする(つまり E(1) = "one", E(2) = "two", ……)。n ≧ 1000 の n に対しては、n を 1000 進法表示する。

nam・1000mam-1・1000m-1 + …… + a1・1000 + a0   (ak = 0, . . ., 999; am ≠ 0)

すると、m ≦ 4 である数に対しては次のようになっている。

math

ここで、Z(k) は 1000k を表す数詞で、次のようである。

Z(0) = (空), Z(1) = "thousand", Z(2) = "million", Z(3) = "billion", Z(4) = "trillion"

これを踏まえて、m > 4 の場合も含めた一般の自然数の綴りについて、次のような「妥当な仮定」をする。

k > 4 についての Z(k) に適当な文字列が定められていて、全ての自然数の綴りは、上に述べた規則で作られる。

この方式の下では、n が eban である条件は、

ak ≠ 0 である全ての k について、akZ(k) が eban

となるが、Z(5) 以上の Z(k) が何かを考えなくて済むように、条件を緩めて「Z(k) は全て eban」であると考える。すなわち条件は、

最高位 am が eban であり、0 ≦ km なる ak は 0 または eban

である。この条件で逆数和が有限ならば、当然本来の答えも有限である。

ここで 1000 進法での最高位が 1000m の位(つまり 1000mn < 1000m+1)である eban な自然数 n がいくつあるかを考える。1〜999 の eban な自然数は

2, 4, 6, 30, 32, 34, 36, 40, 42, 44, 46, 50, 52, 54, 56, 60, 62, 64, 66

の 19 個ある。最高位 am はこの中の 1 つなので 19 通り、0 ≦ kmak は 0 も許されるので 20 通りである。よって最高位が 1000m の位である eban な自然数の個数は 19・20m である、各々の自然数は 1000m 以上なので、それらの逆数の和は 19・(20/1000)m 以下である。

従って、全ての eban な自然数の和は

math

以下の有限な値であることが示された。従って題意も証明された。


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