研究室での研究テーマをひとことでいえば、情報科学の基礎理論、 特にアルゴリズム論ということになります。 この分野は、離散数学や他の数学的手法を用いて、 アルゴリズムを設計し、問題の解析をする分野です。 また、設計したアルゴリズムを実際にプログラムし、 その挙動を明らかにすることも含まれます。 具体的には、 グラフ・ネットワーク・マトロイドなどに関連する 組合せ論、 組合せ論的問題に加えて線形計画問題などの問題を含む 離散・連続最適化、 幾何図形の問題をアルゴリズムの観点から統一的に研究する 計算幾何学、 問題の難しさを計算の観点から理論的に解析する 計算量理論、 その重要な応用分野である暗号理論 などです。 また、量子力学を応用した新しい情報科学の分野である 量子計算・量子通信に関する研究にも 積極的に取り組んでいます。量子計算によって古典計算機よりも 効率良く問題を解く手法を研究する 量子アルゴリズム論、 量子状態を利用して安全な通信を実現する 量子暗号理論 などです。 しかし、これらのことに限るわけではなく、 計算に関わることであれば何にでも興味をもって取り組んでいくつもりです。
研究者として研究室のメンバーに期待することは、 将来は単名の学術論文がかけるようになることです。 また、それと相反するように思われるかもしれませんが、 多くの人と共著の論文が書けることです。 ここでの多くの人というのは、研究室内や学科内にとどまらず、 世界レベルでの共同研究を意味します。 今井研究室では創立当時から海外交流に力を入れており、 前年度も多くの訪問研究者と交流しました。 本年度も学術誌でそのような論文が発表される予定で、 今後もこのような方向で取り組んでいきたいと思います。